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今度は助けを求めているように見えたから、あたしは見てみぬふりをした。
「友達の意見とプロの意見が同じだと思う?」
サチは間違ったことは言っていない。
友達から高評価だからと言って、プロレベルに到達しているとは言えない。
「スズ。あんたは本物の小説家になんてなれない。身の丈を知った方がいいんじゃない?」
サチがそう言い、笑った。
釣られるようにしてクラス中に笑い声が充満していく。
あたしも、みんなと一緒になって笑っていた。
友達だったはずのスズの姿が、やけに小さくなったように感じられた瞬間だった。
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