友達イジメ

不満

その後サチは再び宝くじを購入し、５００万円を手に入れていた。

「前に比べたら随分金額が減ってるけど、どうしたの？」

教室内で、あたしはサチへそう聞いた。

「普通の宝くじは発表まで時間がかかるから、その場で当たるスクラッチにしたんだよ」

サチは上機嫌でそう教えてくれた。

金額は少ないけれど、銀行へ行けばすぐにお金に変えてくれるからサチはそっちを選んだみたいだ。

「そのお金もすぐになくなりそうじゃない？」

サチのお金の使い方を見ていてあたしはそう言った。

欲しかったものを我慢せずに次から次へと購入しているため、１日で数万円ずつ消えて行っている。

「いいのいいの。そうなったら、また稼げばいいんだから」

サチはそう言ってあたしへ視線を向けた。

稼ぐということは、誰かをイジメ殺すということだ。

それを理解していて、サチはあたしを誘っている。

「でも、その前にアキコの願いを叶えてもらわないとね」

「あたしの願いはもうないよ？」

「嘘ばっかり」

「嘘なんてついてないけど？」