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「サチがそんなこと言うハズないじゃん」
「あ、あたしも最初はそう思ったんだけど、直接聞いちゃったんだよね」
そう言い、クラスメートはスマホを取り出した。
画面にはボウシレコーダーが表示されている。
「これ、聞いてくれる?」
『アキコって自分が一番だと思ってるけど、全然大したことないよねぇ』
再生された瞬間、そんな声が聞こえてきて唖然とした。
『あたしとスズが一緒にいるから目立ってるだけなのに、勘違いしちゃってバカみたい』
そう言って笑う声も入っている。
これがサチの声だろうか?
音質が悪くて、イマイチわからない。
「そうだよ。この前にも色々と悪口を言ってて、ちょっとひどいなって思ったから、録音したの」
「そうなんだ……。もう1度聞かせて」
「うん」
何度か聞き直している内に、録音された声がサチに似ていることに気がついた。
「これ、いつ録音したの? スズが生きていた頃?」
「そうだよ」
そんなに前からあたしたちの悪口を言っていたなんて……!
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