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「だ、だからなんの話? 全然わかんないんだけど」
そう言いながらも、サチの額には冷や汗が浮かんできていた。
あたしはスッと息を吸い込んで、思いっきり吐きだすと同時に言った。
「失敗したんだよ。あたしを殺そうとしたのに、残念だったね!?」
教室中に響き渡る声でそう言うと、あちこちからざわめきの声が聞こえて来た。
「待ってよアキコ。本当に、意味がわからないんだけど」
慌てているサチを前にあたしはゆっくりと振り向いた。
廊下に立っている3人へ向けて「入って来て」と、声をかける。
その瞬間、教室内に昨日あたしを襲おうとした3人の男たちが入って来たのだ。
1人はあたしを歩道橋から突き落とそうとした男。
もう1人は車に連れ込もうとした男。
残りの1人は車の運転手だ。
あたしはあの後秋口に3人の連絡先を教えてもらい、誰にも言わないから協力してほしいと頼んだのだ。
ミッションに失敗していた3人はサチからお金を受け取っていなかったようで、簡単にこちらへ寝返ってくれた。
「嘘でしょ……どうして……?」
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