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サチが顔面蒼白で3人とあたしをせわしなく見比べている。
「ちょっと、場所を移動しようか」
あたしはそう言い、サチの腕を掴んで教室から出たのだった。
☆☆☆
あたしたち4人がやって来たのは、あの廃墟だった。
ここでマキが死んだのもつい最近の出来事だった。
しかし、廃墟内にマキの血痕は残っていなかった。
すべて、カオリさんの呪いが改ざんしてくれたのだ。
「ここで何をするつもり!?」
移動中ずっと猿轡をかまされていたサチが、ようやく悲鳴を上げた。
その目にはすでに涙が浮かんでいる。
「何って、あたしにしようとしたことをやってもらうつもりなんだけど?」
首を傾げてそう言うと、サチは左右に首を振って「何もしようとしてない!」と、叫んだ。
「本当に?」
あたしは男の1人へ向けてそう聞いた。
男は素直に「お前の事を殺せって言われてた」と、答えた。
「そんなこと言ってない!!」
「嘘はダメだよサチ。この人たち、わざわざ隣の県から呼んだんでしょ?」
「違うのアキコ……お願いだから、あたしを信じて!」
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