ウサギ小屋

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「そっか。面白かったし、いいと思うよ?」 あたしなんて小説を読まないのに、スズは嬉しそうにほほ笑んでいる。 感想を貰うのならもっと別の人に頼めばいいのに。 あたしはスズの書いた作品なら、きっとどんなものでも面白いと感じるのだから。 「ありがとう。勇気でた!」 スズはそう言い、スマホを抱きしめるようにして自分の席へと戻って行った。 「ねぇアキコ、ちょっといい?」 今度はサチだ。 「なに?」 「その雑誌、もう読んだ?」 「まだだよ。あたしが読んだら貸してあげる」 元々借り物の雑誌だけれどそんなこと関係なかった。 「あたしは昨日立ち読みしたからもういいの」 慌てた様子でそう言うサチ。 「そうなんだ?」 「うん。その雑誌の後ろの方に新しいカフェの紹介が載ってるんだけど、美味しそうなんだよねぇ」 そう言われて、あたしは雑誌を開いて確認してみた。 確かに、駅前に新しいカフェができたと書かれている。 生クリームがたっぷり乗ったパンケーキの写真は、見ているだけでヨダレが出てきそう。
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