【番外編③】ハルカの幸せ

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*  キー局進出を果たしてみたものの、結果は惨敗だった。  ローカル局のカリスマだった【大橋シンヤ】が『おしゃべり上手な一般のオジサン』だったのかも、と記憶の彼方へ霞むほどに卓越した話術の集団の中へ放り込まれ━━息巻いて臨んだものの、自信喪失を繰り返す日々だった。  幾度が共に仕事をした大物司会者と、テレビ局の廊下ですれ違った。 「お疲れ様です!」  溌剌とした挨拶を交わすも、 『どちら様?』  口には出されなかったものの、そう言いたげな表情で大物司会者は通り過ぎて行き。 ━━ああ、あの時と同じ。 『どちら様でしたっけ?』 オーディションで揺さぶりをかけるも、まるで端からハルカのことなど眼中になかったナツコの反応と。  ポキリと心が折れた瞬間……唯一の取り柄だと自負していた『元気なキャラ』も、なりを潜めてしまい。 ━━為す術もなく、ハルカの挑戦は終わった。
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