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「橘さん、園芸係ね」
風邪引いて休んだ次の日に、唐突に学級委員に言われて、私はさあっと血の気が引いたのを感じた。
欠席裁判で、私はさっさと園芸係に入れられてしまっていたのだ。
私はぶんぶんと首を振って学級委員に言う。
「私……無理です。ごめんなさい」
「えー? 一日一回歌えばいいだけじゃない。他の係みたいにセンセとやり取りする訳でもないし」
「ほ、他の園芸係は!?」
「ええっとね。たしか橋田。でもあいつもいなかったからねえ。だから橘さん、よろしく」
学級委員は「自分の仕事終わった」とすっきりした顔で自分の席に戻ってしまったのに、私は血の気が引いたまま「あうあう」と口を動かしていた。
園芸係なんて、私には荷が重い。がっくりとしながら私はクラスの管轄の園芸場へと向かった。
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