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鯛焼き殺しって…。
鯛は焼いてくれたことあったかな。
でも存在を知ってる。
じゃあ、あの人は小半月さんに自分のことを話したのか。
逃げてきたことまでは話していないだろうけど。
「そうそう、溜池ころし。あの人はどうするつもり?」
「まぁたまにしか帰ってこないし、帰ってきても寝るだけなんで居候というよりは雨宿りみたいな感じなんで。それならもう一人の居候にお願いしますよ」
「そう。じゃあわたしはさっくんを面倒見ればいいのよね?」
「無理でしたらペットショップにでも売り付けますし」
小半月さんは、驚いた様子で手のひらをわざとらしく口元に出した。
これが普通の反応か。普通とは程遠いことばかりだったからな、最近は。
「ちょっと!さらっと酷いこと言うねぇ。仮にも半生を共にしてきた子でしょ?ないわけ?愛情とか」
「半生まではいってませんよ。愛情ですか…」
名無しのことは正直どうでもいい。
愛他主義者が居たときはそれなりに可愛がっていたけど。できるならこの際この人に預けたいぐらいだ。まぁそれは言わない。言訳にならなくなる。
小半月さんはひとつ溜息をついて諦めたように呟いた。
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