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「大、大、返事して、ねえ」
「沙耶、勝てたよ〜」
「そんな事より、消えちゃいそうだよ。このままじゃ消えちゃうよ。どうすればいい、私、どうすればいい」
門から出て大の近くに行った。もうほとんど透明に成りかけている大を見ていると、頭の中が混乱してどうしていいのかわからない。
「沙耶、もしできるなら、僕の家に連れて行って」
普通の男性なら引きずって家の中に入れられるけれど、私は大に直接は触れないのだ。物質なら大も触ることができるのだが、人間の私には触れないのだ。
「沙耶……家を……」
こんがらがっていた頭が一気に冷静になっていくのが分かった。大を家に入れることが難しいなら、家を持ってきてやる。
「ちょっとだけ待っていて」
私は再び、靴のまま家の中に入っていった。そして、三分後……
「大、家を持ってきたよ。私の方に手を伸ばして。
大が家に手を触れる。その途端、大の体が光に包まれ始めた。これは、大丈夫なのか。大丈夫なのなら、もう落としてもいいだろうか……、馬鹿デカイ神棚を。
大の家と言われたけれど、私の家自体を持て来ることはできなかった。だから私は、私の家の中にある大の家である馬鹿デカイ神棚を無理やり外して持ってきたのだ。あまりに重くて、今は片膝をついて、その上においてある。
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