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下の階におり、秘書が持っていた鞄からノートパソコンをだす。
「何してるんですか秘書さん?」
実が秘書の開いたノートパソコンを覗き込む。
「一応、部屋にカメラをつけてきました。」
「なるほど、さすが秘書さん!!」
ボスと冬馬もパソコンを覗き込む。
「音声は聞こえませんが、様子だけでもと思いまして。」
「えー、せっかくなら何話してるのかも聞きたかったな〜。」
「リーラが二人で話しをしたいと言っているのです。まだ信頼はしていませんが、プライバシーは守らないと。」
「カメラつけてる時点でプライバシーも何も無いと思うんだが。」
「つきました。」
ノートパソコンに麻亜里とリーラが映る。
しかし、
「なぜ後ろからなんだ。」
「前から取れば、リーラに気が付かれるでしょう。せめてもの悪足掻きです。」
ただ、何かを話しているリーラと麻亜里。
その光景に代わり映えなく、その状況が15分続いた。
「…ボス。戻りましょうか。」
「あ、ああ。」
無事に15分たったことに安堵するが、
一体何が目的かが、わからない。
「普通、ボスの愛人と話したいだなんて言う?オレだったら無理だな。」
「そりゃそうだろ。俺達みたいな下っ端が言ったら首が飛ぶ。リーラだからできるんだ。」
秘書がドアを開ける。
全員が入り、秘書がリーラに言う。
「15分経ちました。麻亜里さん、帰っていただいて構いません。」
しかし、思いがけない言葉が飛び出した。
「えー、もう終わり?もうちょっと話したかったんだけどな〜。じゃあまたね!!」
「ええ、また。」
麻亜里は小走りで部屋を出る。
秘書が静かにドアを閉め、麻亜里の言葉が頭の中を駆け巡った。
リーラが静かに立ち上がり、
「いい人じゃない。アタシの条件を飲んでくれたお礼に、入ってあげていいわ。」
「本当か?」
少し勘ぐるボス。
リーラは微笑み交じりで答える。
「ええ、もちろん。」
ボスは手を前に出し、握手を求める。
リーラはボスの目を見ながら、握手をする。
「これで交渉成立だ。」
「優雅な生活を遅れることを願っているわ。」
リーラが無事 天神商会への加入が決まった。
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