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 家に帰ると、奏司はパソコンの前に座ってChristを検索してみた。もしかしたら当時の動画を載せている人がいるかもしれないと思ったからだ。綴の歌はもちろんだが、組んでいた武市のギターも気になった。一緒にバンドを組んで下さいと言った手前、武市と同等かそれ以上のものがないと話にならないだろう。しかし動画サイトにそれらしいものはなかった。 「当時のライヴの口コミはちらほらあるんだけどなあ…」  マウスを滑らせて行くと、高校生コンビのバンドが凄い!やばい!などという書き込みが地元の当時の音楽関係の掲示板に数件見つかる。高校の文化祭の感想にも似たようなものがあった、たぶんChristのことに違いない。 『俺ら錦街中央大学の軽音楽部にいるから』、そう言った発の言葉を思い出す。『奏司くんに賭ける』とも言っていた。深い意味は分からないが、発は自分と綴がバンドを組むことに反対ではないらしいことだけは分かる。
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