19.

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『あなたが好きです』  プツリと音がして、再生が終わった。カウントがゼロに戻る。  一瞬、息が止まった。綴はゼロになったデジタル表示を見つめたまま立ち尽くした。 「…ば…か」  絞り出すように声にした時、止まったはずの涙がまた頬を伝った。  綴がメモリースティックを抜く。それを両手の手のひらで包むと、俯く自分の額に押し当てた。  緊張と、愛おしさが混じった、それでも際限なく優しい声。 「…ばか」  もう一度呟いて、綴が顔を上げる。そして弦を張り替えたばかりのギターを手にすると、綴は何かを決意したように一度大きく鳴らした。
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