20.

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 綴が今度はサンドイッチを取って齧る。 「あ、藤音さんそれ…」  奏司が言うより先に、綴が嫌な顔をした。 「キュウリ抜いとけよ」  言いながら綴がキュウリを口から摘んで出し、フィルムの上に置く。 「すみません」  謝る奏司に、そこは理不尽て思わないのかよと、遠い場所から豊が心の中でツッコむ。しかし『いつもの二人』が帰ってきたようで、少しワクワクもしている。  綴が椅子から立つ。 「ギターはこれを貸してやる。ケースのポケットに時間と場所を書いたメモを入れてある」 「………」  奏司がギターケースを見る。前に借りたものとは違う。多分、今綴が使っているものだろう。 「別に強制じゃねえ。嫌なら来なくていい。その時は高倉にでもギターは預けといてくれ」 「…はい」  窓から入って来た風が綴の髪を揺らした。綴が髪を耳にかけた。  やっぱりとても綺麗だ。
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