20.

14/14
前へ
/395ページ
次へ
「奏司、ちょっと確認するけど」  もう一度音を聴きたくて逸る奏司を少し制して、割りと大事なことだからと豊が聞く。 「放課後の呼び出しはどうする?」 「呼び出し…」  て何だっけ?と真顔で告げる奏司に、 「うんもういいよ、聴いて音源」  豊が目を逸らして細い目で奏司を見ながら笑う。 「わ!ちょっと待って!」  奏司が野菜ジュースを飲もうとして止まる。 「これもさっき何気に藤音さん飲んだよな?!え、ちょ、どうしよ真空パックにしたい!」 「通常運転再開しました」  ヘンタイの奏司がご帰還しましたと豊が佐々木に向かって告げる。佐々木も意味が分からないなりに曖昧に頷く。 「何か佑木ちょっとカッコよくなったかと思ったけど、今そうでもなく見えるの気のせい?」  佐々木の言葉を受けて豊が爆笑し、 「それな!」  と嬉しそうに返した。
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

117人が本棚に入れています
本棚に追加