怒り

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川崎の頬から引き抜いた血塗れのナイフからは、どろりとした血の塊が滴り落ちて、そのナイフで川崎の顎を持ち上げる。 「ここどこか分かる? ゴミの処分場。深ーい深ーい穴があるから生き埋めにすることも出来るんだけど、そんなんじゃつまらないんだよな」 「あが……あ、が……いだい……」 口を開けたままの川崎は、血がだらだらとこぼれ落ち、逆流する血のせいで咳き込んでは、何かを訴えようとしていた。 「ここにはすっっごく熱くて、どんなゴミでも溶かす優秀な機械があるんだよね。お前みたいな胸糞悪いゴミもちゃーんと燃やしてくれるんだ」 川崎の太ももに振りかぶってナイフを突き刺すと、痛みに耐えきれずに椅子ごとコンクリートに倒れ込んだ。 「いがぁぁぁぁーーー」 そのまま倒れ込んでいる川崎の顔に足を置いて、刺した頬をぐりぐりと踏み潰す。火炙りにされるイカの様に丸まって、川崎は叫び続けた。 「本当は拷問して、指の骨1本1本切り落として、目ん玉くり抜いて、ゆっくり痛みを味わいながら死んでいって欲しいんだけどさ、時間も無いし、てめーみてぇなゴミのせいで、うちの可愛い子分たちに殺人犯になってもらうのも可哀想だからさぁ」 苦しませて殺してやりたいが、そうは言っても若い頃とは違って非効率な事はしない。現実的に血が流れれば、人が1人消えた事に証拠が生まれてしまう。そして拷問は人の口を軽くさせる。 こいつが脳内であかりを思い出し、あかりの事を口にする一瞬でさえ許し難い。最も残酷なやり方で痛め付けても、こいつはもう朝日を見る事はない。 「そこで。生きたまま。焼かれて。死ね」 川崎を上から見下ろし、そう伝えた。こいつはもう何物でもない。この無人化された場所で、神をも知らないうちに俺の審判によって地獄に堕ちる。ここに生命の神秘など届かない。こいつはただの燃え殻となる。
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