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梅の花が咲く公園で会った時
思い切って聞くことにした。
茶色い瞳が今日も綺麗だ。
「西川さんってどこの大学出身ですか?」
「海外の大学やけど?」
アメリカの有名大学だった。
なーんだ、違ってた。
「何それ自慢ですか?」
「聞いてきたんはマミヤちゃんやろ(笑)」
「だから英語話せるんですね」
「他の人には言わんといてな」
「どうしてですか?」
「英語教えてって言われるから」
「大変ですね」
そんなの断ればいいのに
西川さんは何だかんだで頼まれたことは
引き受けてしまう。
「マミヤちゃんは?」
「えっ、西川さんの後に言うの嫌だ……(笑)」
「東大?」
「違います。私立女子大です」
何だか変な間があった。
平凡だなと思われたのかな。
「そうなんや。良かった」
「何が良いんですか?」
「女子大って女ばっかりやから(笑)」
子供っぽいヤキモチを
照れて笑いながら言う。
記憶を辿る。改めて思う。
笑った顔が……似てる。
「西川さんって京都に親戚とかいませんか?」
「京都にはおらんなあ。昔はおったけど」
「昔っていつですか?!」
「高校までは従兄弟が住んでた……」
「名前!名前なんて言いますか?」
西川さんが驚いて笑った。
「何でそんな食い付くん?(笑)」
「いいじゃないですか。教えてください」
「にしかわなりひと。漢字は平成の成に……」
Nishikawa Narihito だ。
「顔、似てますか?」
「昔から似てるって言われるけど、成仁のが男前やな」
ドクンと心臓が鳴る。
弟とは全然似てないねんって話は聞き流した。
もしかして……が止まらない。
「成仁さんって国立大の出身ですか?」
私の受けた第一志望の学校名を告げた。
「何で知ってんの?知り合い??」
まさか……ね。
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