序章

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俺たちの通うフロンティア学園は、この山の中腹に建てられた、男女共学の私立校だ。 その創立者が、なんとうちのじいちゃんの八神六介なのだ。 タクヤ「なぁ、うちの学園っていつごろ出来たんだっけ?」 琴乃「何年か前に、創立50年の記念式典があったような」 タクヤ「そういや、じいちゃんが出席してたっけな。まあ創立者だし」 神楽「50年前って……いくつだったんだろ?」 琴乃「ずいぶんとお若い理事長先生だったんですね……」 神楽「それにしたって……じゃあ、今いくつなんだろ?」 タクヤ「じいちゃん、ひ孫までいるって言ってたし、80は越えてるはずだよな……」 神楽「えーっ!?見えない~」 琴乃「まだまだお元気ですものね」 タクヤ「年寄りの冷や水だよ。稽古中にぽっくりいかなきゃいいけどな」 俺が引き取られる少し前に、じいちゃんは理事長職を退き、今は悠々自適の老後生活を送っている。 とはいえ、昔取った杵柄で今なお剣道部の名誉顧問を務めるあたり、さすがは武道で鍛えた成果というべきか。
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