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航太は頭の整理ができないまま、しばらくバスに揺られていた。 が、顔に出ていたのか、はたまた思考が読めるのか、死神が言った。 『一体何のリストか知りたそうな顔してるね』 白い骨の顔は、まるでイタズラ好きな少年のような表情を浮かべていた。 しばらく返答に困ったが、遂にこくん、と頷いた。 ニタ、と笑い、死神は“リスト”を手渡す。 『いいよ。助けてくれたしね。特別だぞ』 そーっと、そーっと、まるで“リスト”が時限爆弾であるかのように慎重に受け取った。 『アハハ、そんな大層な物じゃないよ』 いかにも愉快そうに死神が笑う。 ───大層な物だろ。 内心そう思いながら、恐る恐る表紙をめくる。 4/13 坂木 哲也 ☑ 4/13 田中 慎二 ☑ 4/14 遠藤 典子 ☑...... リストのどのページを見ても、ずらりと名前が並んでいた。 更に、脇にある四角には、チェックマークが記されている、というものが沢山あった。 ───やっぱり、これは、だ。 航太は緊張で、まるで胸がカチカチに固まるような変な感覚に襲われた。
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