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7
航太は頭の整理ができないまま、しばらくバスに揺られていた。
が、顔に出ていたのか、はたまた思考が読めるのか、死神が言った。
『一体何のリストか知りたそうな顔してるね』
白い骨の顔は、まるでイタズラ好きな少年のような表情を浮かべていた。
しばらく返答に困ったが、遂にこくん、と頷いた。
ニタ、と笑い、死神は“リスト”を手渡す。
『いいよ。助けてくれたしね。特別だぞ』
そーっと、そーっと、まるで“リスト”が時限爆弾であるかのように慎重に受け取った。
『アハハ、そんな大層な物じゃないよ』
いかにも愉快そうに死神が笑う。
───大層な物だろ。
内心そう思いながら、恐る恐る表紙をめくる。
4/13 坂木 哲也 ☑
4/13 田中 慎二 ☑
4/14 遠藤 典子 ☑......
リストのどのページを見ても、ずらりと名前が並んでいた。
更に、脇にある四角には、チェックマークが記されている、というものが沢山あった。
───やっぱり、これは、死人リストだ。
航太は緊張で、まるで胸がカチカチに固まるような変な感覚に襲われた。
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