エレベーターとエスカレーター

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いつも使っている駅のエスカレーターの手すり。 爪を立ててそこに文字を書く。 うえみろ と書いた。何かを考えてのことではなかった。誰に向けて、何かのメッセージがあるわけでもない。なんとなく書いた。明日は何を書こうか。ひらがなで4文字位がいいと思う。 ぢ、もも、すけべ、おうち、けむり、ぶつぶつ、はむ、いぬ、ねこ、ぐー、ぷりぷり、よこみろ、ぶー、けんこう、どした? しばらく どした? を書き続けてみようと思う。継続は力なり、という言葉がある。私には当てはまらない言葉だが、毎朝毎晩エスカレーターに乗った時、手すりに どした? を書き続けることで手に入る力は何1つない。ないだろう。 エレベーターで一人でいると歌ってしまう。斎藤由紀の「卒業」をここ1週間歌っている。 〽あ~あ 卒業式で泣かないと~ 冷たい人だと言われそう~ でもも~と 哀しい瞬間に涙はとっておきたい~の~〽 そのせいか道を歩いていても、自転車に乗っていても歌うようになってしまった。最近人の目がどうでもよくなってきているのでまぁまぁ大きな声で歌ってしまう。 松任谷由実の「卒業写真」も歌ってしまう。スピッツやミスチルや髭ダンや米津やワンオクはかっこいいから歌えない。J‐POPという呼び名が生まれる以前の歌謡曲ならそれなりに大きな声で歌っていても許される気がする。J‐POPは1人1人のものだが歌謡曲はみんなのものだから大丈夫だろう。 そして歌っていると、歌うのと話すので大きな違いはないだろうと思い独り言を言うようになった。大きな声で。冷たい人ではなく気がふれた人だと言われそう。
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