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病院の待ち時間。
本をうっかり忘れてしまい、病院にある本も興味がある本があまりなかったので、仕方なくTwitterを覗いた。
すると、好きなお笑いコンビについて書かれている記事を見つけた。
その記事を読むと、芸風や得意なこと、去年は賞レースのファイナリストでよい成績だったことなどそのコンビは褒められていて、とても興味深い内容でするすると読んでしまった。
しかし、その興味深さは一気に急降下する。
「片方がなんかやらかして、一回消えたんだって。」
「もう二度とテレビに出るな。」
「4ねよ。」
この記事のコメントを見てしまったのだ。
そう、このコンビの片方はかつて、不倫をしてしまい、一時、活動休止してしまったのだ。
その当時、私もショックで一時期、彼らから離れていた。しかし、二人のネタを見て、ファンに戻った。
だけども、このコメントを見て、心が暗くなる。
自然と頭が痛くなり、込み上げてきた。
そして、いつの間にか声を挙げて泣いていた。
悔しい、ファン、やめるべきなの?
私は、そう頭の中でグルグルとまわった。
すると、隣に短髪の眼鏡をかけ、スーツを着た若い男性が私に近づいた。
「どうしたのですか?」「あの、アンチに耐え切れなくて…悔しくて泣いてしまいまして…。」
すると、その男性はスマホを取り出し、イヤホンを刺し、笑顔で差し出す。
「僕の好きな、星野源さんの【日常】です。これを聴いて、心を癒してください。」
その人に言われるまま聴く。
星野源さんの暖かい声に落ち着くメロディー、そして、あなたは、みんなが嫌いなものでも好きでいい、大好きなものが一つあればそれでいいと暖かくハグされるような雰囲気、それらにふんわりと包まれた。
星野源さんの【日常】を聴き終わると、その悲しさと悔しさは消えて、自然と口角が上がっていた。
「ありがとうございました。すごく自信が出ました。」
スマホとイヤホンをその人に返した。
すると
「28の方、診察室にお願いします。」
28番、私の番号だ。
私は、男性にお辞儀をし、診察室に向かった。
あとがき
こんにちは、初めての人は初めまして!こじまなです。
誹謗中傷、辛いですよね。無視することが一番ですから…。
あと、今回のお話に少し似ている長編のうちの一編、現在、進行中です。乞うご期待(おそらく、ぷらいべったーで公開予定。)
それでは、また、次の話で会いましょう!
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