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あれから20年。
彼は毎年この日に赤い菊の"蕾の花束"を買って帰ってくる。
そして私に言うのだ。
「今日も君を愛してる。
来年の今日も僕の隣で笑っていて」
と。
年頃になった娘が呆れて笑っている。
娘は知らないのだ。
赤い菊の花言葉を。
それは、
"あなたを愛しています"
そして、"蕾"である意味は、
彼曰く
"毎日一つづつ、小さな幸せが咲くのを私と一緒に見たいから"
だそうだ。
私にとって、菊の花束は、幸せの象徴になった。
完
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