決裁、あるいは決戦?

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騒がしい居酒屋の片隅で、 私はどうやって菅本くんの本音をこの掌中に掴めるか今、勝負をかけた。 もし勝ったら、戦えずして逃げてしまった苦い初恋も、 平凡な海の底のお仕事も軽々と越えて、 こんな甘いことをしでかす君が好きかもしれない、って このまま流れに乗って言えるような気がする。 「菅本くん、ねえ、菅本くん?」 今、難しい顔して何か考えこんでいるみたいだけれど、 わたしを攻め落とすのはかんたん。 先輩と言う名の重りに繋がれたわたしの手枷を、 きみの言葉で外せばいい。 かんたんに外れるよ、いまなら、たぶん。 スプーンでつつくような誤変換で かんたんに割れたプディングなこころに カラメルソースのようなとびきり甘い言葉を 私の心の真ん中に とろとろと落とせばいい。 END
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