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「ドリー、最後に君の歌が聴きたい」
それは秋の深まる頃でしたが、ドリーは春に恋人たちが愛をささやき合う歌を唄いました。
ドリーの髪も白くなり、顔には深い皺が刻まれていました。
でも、目を閉じたクロードにはいつまでも若々しい声だけが聞えていました。……
クロードが亡くなって、七年後にドリーにも寿命がきました。
多くの子どもや孫やもう何代目かもわからなくなった猫たちに見守られて、静かにその時を待っていると真夜中に神様がやってきました。
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