ポインセチアと魔法使い

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 それから、ベゴニアも蘭もコスモスもパンジーも、みんななんのかんのと言って、サンタクロースのお願いを聞いてくれませんでした。  サンタクロースはため息をついて、会議の解散を告げ、とぼとぼ歩いて家路につきます。トナカイのそりだけがついて行きました。  花たちはほっとして、陰口を言いながら帰り始めます。 「サンタさんじゃなければ考えてもいいけど」 「そうよね。おじいさんだもん」 「そうそう、それに太ってるし」 「雪の王子様なんかだったら?」 「それなら寒くたってへっちゃら」  華やかな笑い声が響きます。
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