C.新たな問題

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 私たちは大学3年の夏休み明けの大学祭を最後のライブと決めていた。大学2年の春から始まった私たちが初めてライブをやったのも学祭だった。一年前にはなかった楽しさと自信を感じていた。そしてわずか一年だけの活動だったけれど、とても色濃い一年だった。今日の学祭にはナオのファンも来ていて、 「ナオミチー!」 と黄色声援が飛び交い、学祭とはいえそこそこの盛り上がりだった。そして最後の打ち上げは、ナオの歓迎会とメンバーの結成を祝しイケさんがボロボロに酔っ払ったいつもの居酒屋『花ぐるま』だ。 「今日は・・・俺たちの・・・。」 というハルトくんだったが、 「ハルト、分かったから。ま、お疲れってことで!」 とシュンくんが言って、みんなの一斉の 「お疲れー!」 でバンド解散式なるものをした。相変わらず、みんな乾杯の時だけのアルコールだったことは言うまでもない。 「アキ、別に飲んでもいいよ。遠慮するな。おかわり同じの頼む?」 とナオは笑って言った。 「ナオも飲めばいいのに。」 と言うと、 「俺はあの日、無理して飲んでただけだから。」 あの日と変わらない輝く瞳でナオは私を見つめている。 「二人だけの世界になってんじゃん!俺らも中に入れろ。」 とハルトくんたち3人が入ってきて、くだらない、いつもの楽し過ぎる雑談が始まり続いている。 「イケさん・・・今日は・・・送っていかないからね。」 「ナオミチ、今日はアキちゃんを独り占めするなって。」 「ハルト、おせーよ。」 これからもずっと続いていくと錯覚してしまう時間が過ぎていく。
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