2年目の新人

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2年目の新人

大学を卒業して、新卒採用で念願の鉄道会社に入社した。でも、入社したしたのは去年の春。 半年以上、研修施設で勉強し、心身を鍛える自衛隊 研修にも参加して最初に配属されたのは小さな駅だった。 しかし、あろうことかその駅はこの春に無人駅となってしまい、2つめの配属先である、快速列車が停車するそこそこ大きな駅で勤務をしているのだけれども…… 「おいおい、しっかりしてくれよ。お前2年目だろ?切符くらい まともに発券しろよ」 毎日、上司や先輩に叱られる。 以前勤務してた駅と今の駅じゃ、お客さんの数が違いすぎる。 「駅員さん、この駅まで行きたいんだけど」 「えーと、この駅に行くには……」 ポケット時刻表の地図で調べていると 「新人さん?俺も急いでるんだ。他に聞くから。」 「はぁ……」 前の駅は良かった。猫がいて、餌を上げてるばあちゃんがいて。朝から、一駅先の病院に通院しているじいちゃんの切符を発券するのが日課だった。 「ぼぉっとしてんなよ。休憩時間の交代だ。」 ぽんぽんと、教育係の先輩に肩を叩かれた。 「それと、気持ち的にきついかもしれないけど、これ 見習いバッヂ。駅長から。」 先輩に手渡され、悔しさ、虚しさ込めて握りしめた。 「厳しいこと言うかもだけど、これが今のお前のレベルだ。逆に、それ付けてた方が今は仕事しやすいぞ。さ、休憩休憩、行ってら〜!」 背中をひと押しされ休憩室へと向かった。向かう途中、お客さんに声をかけられないように願いながら。
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