救いの女神はお嬢さま

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バイトの時間が終わると,制服に着替えて店を出た。 珈琲豆を入れていたので,ロッカーの中は豆の香ばしい匂いで充満している! 制服もワイシャツにも匂いが移ってしまい,美桜はくんくんと嗅ぎながら, 「匂いが・・」 嘆いていた(苦笑) 「そこまで匂ってませんから,気にしなくても良いのに」 と,さりげなくフォローする葉月。 葉月はバイトが終わると,自宅からお迎えが来るまで,美桜との女子トークに花が開いた! 近くのベンチに腰かけて,学校の事やバイトでの出来事など,話が湯水の如く溢れ出す! 「それにしても,美桜ちゃんの恋バナ,何時になったら聞けるんでしょう?母がその類いの話で盛り上がるんです。あるなら,聞いていらっしゃいって」 ミーハーだな・・とは思っても, 美桜本人は至ってマイペースで,他人の色恋に興味はあっても,自身のについては全くと言って良い程,疎すぎた(苦笑) 「他人の恋の花が開くのを視ているとね,皆が持っていて,ワタシには何かが『欠けて』いるんじゃないかって思うの」 急に真顔になる美桜の横顔を,葉月はじっと見つめている。 「そんな事ありませんわ。美桜ちゃんは充分可愛いわ!今は未だ訪れていないだけです!あっ,そうだ。日比野先生の所のバイトさんは,いかがです?」 葉月が,先生の所でバイトするシンくんを聞いてきた。 「シンくん?ちょっとヤンチャな所があるけど,普通に接していると『怖 い』って感じが薄れるわ。年上のお姉様たちから愛されているし!」
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