贈り物探しが恋のはじまり

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贈り物探しが恋のはじまり

「どうしようかな・・?」 美桜は困っていた・・・葉月の母『若葉』さんが主催するパーティーは,普通の人が集まるモノではない。 日曜日の昼間だ。 必ずおじさんもいる筈だし! 若葉さんは,お宅にお邪魔する時は,『何も持って来なくてもいいわ~』っていうが,そんな訳にもいかず。 「お待たせっす」 振り向くと,黒のデニムに明るい緑色のパーカーを着込んだシンが,美桜の元にやって来た。 「シンくん。今日お休みなのに,ゴメン!」 いつもはソレイユでしか逢わないのに, それ以外で逢うのは,滅多にない。 「良いっすよ!ツレたちと居るより,マシっすからね。美桜さんに呼ばれるなんて,滅多にないですから」 嫌がるどころか,寧ろ喜んでいる。美桜は眼鏡を拭く仕草をしながらシンを視ると・・・ 「恋の花が咲いてる」 濃く鮮やかなピンク色が,半径1メートル以内に舞い落ちる。 「やっぱり,眼鏡をしていない美桜さんの方が,めちゃくちゃ良いっすね。もっ,勿論眼鏡を掛けていても・・可愛いっす」 最後の方になると,声が小さくなっていく。 「えっと~,今回シンくんに来て貰ったのは,ワタシの友だちのお母様が開くパーティーで,手渡すモノを一緒に選んで欲しくって。 その日は,友だちのお父様もいらっしゃる筈なの」 「そうでしたか。友だちって葉月ちゃんでしたよね!どこかの社長令嬢でしたっけ?」 「うん。K-コーポレーションっていう総合商社のね」
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