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「それ,めちゃくちゃ有名な企業だ」
腕を組んで,悩みだした。
「う~む,有名な企業のご自宅だしなぁ」
「美桜さん,葉月ちゃんのご両親の好みって知ってる?」
シンの質問に,美桜はいう。
「おじ様は,美味しいお酒と珈琲が好きだったわ。若葉さんは,身につけるモノ・・ブローチが好きだと思ったけど・・」
「ブローチっすか!ブローチねぇ~」
両腕を組みながら,何かを思い出したかの様に,携帯で誰かに話していた。
美桜は,珈琲で以前訪れた焙煎所の珈琲が,父親には好評で,同じお店で珈琲の詰め合わせを仕上げて貰い,後は若葉さんへの贈り物だけが残ってしまう。
「美桜さん,うちのオヤジに相談したら,
1度工房に連れてこいって。
オヤジ,彫金師なんですよ。見た目はいかついオヤジっすけど,繊細なモノを作らせたら,オヤジに敵うヤツはいません」
早速,シンの父親が営む彫金工房には,
金属を削る音やら商品を磨いている人たちが働いている。
「オヤジ,美桜さん連れてきた」
シンは色んな音で賑やかな工房で,大声で叫ぶと,いかつい感じの男性がそこにいた。
「来たか・・うちのバカ息子に,こんな可愛い彼女が出来たとは」
「違うって。オヤジが作ったブローチを見せて欲しいんだ!」
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