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それが起こり始めたのは,
日比野先生のカフェで,ご飯を食べていた時だ。
その日は,父親の仕事で出張になり,ひとりで家に残す娘を心配した父親が考えたのは,ブックカフェでの『晩ごはん』を摂る事で,安全を証明される事だと考えたのだ!
その頃,日比野先生は教師を辞め,以前からの夢だったライターの仕事を開始した。
月刊誌の片面に書いてあるのを見た時は,
自分の事の様に嬉しかった。
それだけでは生活してはいけず,ライターの仕事がない時は,ブックカフェでマスターをしている。
カウンター席で,先生の作るごはんを食べていたら,後ろのボックス席から2人組の女子高生が恋バナに花を咲かせていた。
あまりにも真剣に話し込むので,後ろを振り返ったら・・・
キラキラして・・・る?
女子高生たちの周りが粒子状の金粉が舞っているみたいに,キラキラしている。
金色の中に濃いピンク色のキラキラも含まれていて,まるでグラスの中の工夫茶がお湯を注ぐうちに,中の花が開きながら煌めいている,そんな感じにみえる。
2人はきゃっきゃしながら笑うのに,もう1人の女子高生の真ん中は黒く煤けている。
美桜は,目の調子がおかしいのかと思い,辺りを見回す。女子高生以外にもお客さんがいたが,彼女たちとは違う色が出ていて・・・
驚きのあまり,美味しかったご飯も喉を通らなくなって,箸を止めてしまった。
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