水底へ

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水底へ

晴天の焔が、 渺渺たる海の果て、 大いなる滝に沈み、 呑み、覆ひ、ぼかす といふ水の機構。 無明にて数多の泡沫が、 水藻を白骨にかえ、 絡みとつた黒い波濤もて 我が輪郭を千々に刻む。 深き口腔を満たす水の いかな魔術の権能が、 我らをあやし、導くのか。
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