永劫の蕾

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永劫の蕾

この花は永劫の畔にゆれている。 あまたのうつろいをながめ 蕾という名の一輪となって。 風よりもとうめいなあなたの声が、 水面をやわくなでている。 どことも知れずに吹いてきては。 あなたの落としていった種は 油彩のなかに秘められた 空のかなたの青色をしていた。 ああ、永劫に 枯れることもない花のあわれ! 日よ、暮れよ、 吹きすさぶような夜よ、 この花が枯れてしまうように。 手折るではなく、 ただ、日よ、暮れて枯れよ。 だがあなたは在るのだ。 この花は永劫の畔にゆれている。 あまたのうつろいをながめ 蕾という名の絵画となって。
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