瓶詰めの新天地より

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 西暦20XX年、地球資源の枯渇対策の一環として外惑星への移住計画が公表された。恒星との距離や水分、移住可能な陸地の有無などを元にリストアップされた候補から、移住先として惑星ステリアに白羽の矢が立ったのだった。  計画開始から数年が経過した頃、とうとう訓練を積んだ少数の宇宙飛行士がこの惑星の調査に降り立つこととなった。  調査の目的は移住に必要な土地、水、大気、資源の調査に加え、もう一つ。地球からの調査では断定することは出来なかったが、これだけ環境の整った星ならば何らかの生命体が既に暮らしている可能性は高い。  惑星ステリアの生命体に知的生物と呼べるだけの知性が備わっているのか、知的生命体と分類できた場合果たして彼らは友好的なのか。この項目は単なる移住のための調査という枠組みを超えて、地球に残る者達から興味を持たれていた。 以下の文書は惑星ステリアから地球に向けて自動操縦で届けられた7つのカプセルに一枚ずつ入っていた、調査日記とみられる文である。
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