とある異国に伝わる不思議なお話

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とある異国に伝わる不思議なお話

とある異国に伝わる不思議なお話をしましょう。それはそれは大変不思議なお話です。 大国ディモルフォセカの王様には、大変美しい王妃と側室がおりました。 王妃の名は、ネモフィラ様。清楚で育ちの良さを感じる落ち着いた方です。一重でやや細目で、胸はまな板ではありますが。。。 側室の名は、ダリア様。金髪で軽くウェーブのかかった髪は腰まであり、華やかで社交的な方です。胸は豊満で、見とれる貴族の皆様に王様が睨みつけるとか。 ネモフィラ様は幼い頃より心臓が弱く、自室に引きこもりがちです。ネモフィラ様を心配してお見舞いに行かれるダリア様の元に王様が足しげく通われることをネモフィラ様はご存じです。 「心臓が弱いばかりに初夜さえ王様をお迎 えすることができなかった」 ネモフィラ様はご自身を責め続け、さらに心臓を悪くされました。 ネモフィラ様の気持ちを知ってか知らずか、ダリア様はお見舞いに行かれるたびに王様との夜のお話をされるのです。 「昨晩も王様は激しくてね。お相手が大変 だわ」 ダリア様は日々鍛練で鍛え上げられた王様の逞しい身体を思い出しては顔を赤らめました。 やがてダリア様が懐妊、出産をされました。ダリア様と同じ金髪の王様との間に、黒髪の男の子が生まれました。その男の子にはシーマニアと名付けられました。 国民はシーマニア様の黒い髪はディモルフォセカがさらに豊かな国となり繁栄する吉兆だと大変喜びました。 実はシーマニア様の父親が、ネモフィラ様とご存じなのはネモフィラ様とダリア様のお二人だけです。 ネモフィラ様は男性ですが、舞踏会で女装をして参加したところ王様に見初められ、王妃に迎えられたのです。 え?何で私がその秘密を知っているのか? …ご想像にお任せします。
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