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初夜
君の指が肌をたどる。
熱が身体の奥にたまる。
ぎゅうって、抱きついてこらえるけど、あちこちに与えられる刺激でどんどん大きくなる。
逃がしたい。
でも、そのままがいい。
与えられる刺激は、君の恋情。
「……っく、ぅ……」
「気持ちい? 智弘…? ね、教えてよ」
「…もち……ぃ」
聞かないで。
答えられない。
あられもない声が出てしまう。
声を殺すために顔に当てていた枕を投げ捨てて、君の中心に手を伸ばす。
熱い塊。
「こら。いたずらしないの」
君は笑っているけど、ギラギラしてる。
両手をベッドに押さえつけて、唇に喰らいつかれた。
ああ。
ダメ、破裂しちゃう。
身体が揺れる。
恥ずかしい。
でも、この揺れに任せていたら、気持ちいい。
内側から押し出される。
「あっあ、ああっあああああ!」
君の動きに逆らって、ガクガクと腰を揺らす。
やだ。
壊れちゃう。
「まだ、指も挿れてないのに、イったの?」
やーらしい。
君の声が耳元でして、くちゅりと音が鳴る。
耳の中を舐められてる。
「や、だ……やだ、やだ、ダメ……あ…かおる…」
「ダメじゃない。イイんだよ」
「い、い……」
「そう。気持ちいね……」
手は離されて自由になっていたけれど、シーツを握るので精一杯。
君は舌で、唇で、歯で、あちこちを刺激する。
片手で中心をあやして、もう片方の手で中を探る。
「はうっ……ん、ん~あ、や、かお、かおるっああ……」
「かーわい……もっと啼いて……」
肉食獣が獲物を嬲るように、楽しそうに君が言う。
夜はまだこれからだよ、もっと楽しませてくれなくちゃと、君が笑う。
初めてではない、君との夜。
けれど、大切な。
「ね、これ、初夜だよね。心ゆくまで、智弘を食べさせてね」
いいよ。
君だからいいよ。
骨まで残さず、食らいつくしてください。
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