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顔面偏差値高くね??
「は〜…面倒だなぁ」
都内にも関わらず誰も寄り付かなそうな山の上。
そこにある馬鹿デカイゴテゴテした門を見上げてため息を吐くのは俺、槇 蒼依。
訳あって今日からここ、四之宮学園高等部に転入する事になっちゃったんだよね。
しかも季節は5月!どこぞの友人曰く、王道ktkrな状態にため息くらい出ても仕方ないと思う。
まぁ俺は門は飛び越えないし、敵は作らずに過ごすつもりだから王道では無いのかもしれないけど。
そんな事を考えながらキョロキョロ。
少し探すと門の横にインターホンが付いているのを見つけた。
飛び越える系の主人公の学校はインターホンないのかな...。
無くても電話とかすればいいのに...。
――リンゴーン
ピンポンじゃないんだ。
『はい』
「あ、転入生の槇と申します。」
『あ〜ちょっと待っててね。今開けるから。』
「はい。」
うーん。爽やかイケボだ。
先生?守衛さんかな。
しばらく待っていると通用口であろう門が開いて警備服のお兄さんが現れた。
「お待たせ。話は聞いてるから中入って。理事長室まで案内するよ。」
「ありがとうございます。」
「俺はここの守衛で柴田 裕二。基本的には門のところの守衛室にいるから。」
「槇 蒼依です。よろしくお願いします。」
よろしく、と微笑んでから先を歩く柴田さんはストレートの黒髪がよく似合う爽やかイケメンだった。
声も顔を爽やかイケメンってレベル高すぎないか?
守衛じゃなくてモデルやってそうなくらいスタイルもいいし。
この学園最高かよ。
「そんなに見られると穴が空きそうなんだけど。」
「柴田さんがイケメンで見惚れてました。」
素直に伝えると驚いた顔をしてから吹き出す柴田さん。
「槇くん見た目は爽やか好青年でいかにもモテそうって感じなのにそんなこと言うんだ!」
そう。俺見た目は良いんです。
「柴田さんには負けますよ。」
「否定はしないんだ。」
「そう見えるように頑張ってるので。」
「へぇ...頑張らなくてもモテると思うけどね。」
「まぁそうですけど、第一印象は大事でしょう?」
「確かになぁ。あ、でも俺には初っ端からイケメンとか言っちゃってるけどいいの?」
柴田さんが不思議そうに聞いてくる。
「美形は最強なので。」
そう。何を隠そう俺は綺麗な顔が大好きだ。
美形には抗えない。
これは自然の摂理なんだよ…。
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