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4.会場
修二は目隠しとヘッドホンをされたまま、ある場所に案内された。何者かが、目隠しとヘッドホンを外す。とても広い体育館の様な場所。一定距離を空けた感覚で、中央付近に5つの筒状の機会が並んでいる。修二はここがどこで、何の建物なのかも知らされていない。修二と同じ様な境遇の人間が他にも四人居た。
「大変失礼致しました伊達様。いよいよ過去へと行ける時が参りました。」
事態をうまく飲み込めず唖然としながら修二はその声の持ち主の顔を見た。60歳くらいだろうか?ダンディーな清潔感の有るその男は、口と顎に丁寧に整えられた髭を蓄えている。
「はじめまして。黒木と申します。伊達様の過去巡りにつきましては、我々が護衛を兼ねて同行させて頂きます。ご要望には極力応じますので、何なりとお申し付け下さい。何卒よろしくお願いします。では、早速参りましょう。」
そう言うと黒木は修二を中央にある機会に案内する。黒木の後を取り巻きの様な4人が無言で追う。
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