私とハルの始まり

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小さいハルはすくすく育った 女の子なのでヤンチャで網戸を登ったりカーテンレールの上を歩いてよく私に怒られていた 1歳くらいになると少し大きくなり、カーテンレールには登らなくなった その代わり私にベッタリくっついてどこに行くにも一緒に付いてきた 一見、可愛いのだけど 無視されたり構われないと足を齧ったり身体にジャンプして登ってきて攻撃してきた 仕事に行く時も 自分を置いていく私に腹を立てて怒り狂う ハルは独占欲と嫉妬の塊の女の子だった 私が友達や親を部屋に上げると静かに腹を立てた 友達や親が大人しく近づいてくるハルをみて 懐いてると勘違いして 撫でて構うと ハルはその隙を狙って至近距離で猫パンチをくらわせる 友達や親はハルを恐れて家に来なくなった 「ハル、なんであんたはいつもそうなの」 ハルは来客が帰ると やれやれ帰ったかと何食わぬ顔で私の膝で甘える みんなには凶暴な猫と言われるハルは 私を独占したいが為に 2人だけの空間を守っている様だった 私が腕の中にハルを抱いて寝ながら友達と電話すると 腕の中で気持ちよさそうに寝ていたハルが ゔーと唸り出す 無視して楽しそうに電話はしてると 「いたっ!」 首や顎を思い切り噛まれるのだ 私といる時は私だけ見なさい! ハルはそう怒っていた
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