ひと目あえたら 充分だと思っていた

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ひと目あえたら 充分だと思っていた

最期に ひと目だけ 保育器の中のあなたは 怖いほど小さな体で 懸命に胸を上下させていた 生きるための鼓動が 窓越しに伝わってきた時 死を待つだけだった私の体は 目覚ましの音が鳴った時のように ハッとした あの頃からずっと あなたの どんな表情も どんな仕草も 愛おしくてたまらない 生まれてきてくれて ありがとう
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