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何故だ。何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故・・・・・・
「何故だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
最後の砦。自室の扉が開かれた瞬間、蔦を一勢に飛ばした。無我夢中で、前が見えない。
どれくらい時間が経ったのかすら、もう朧気だった。
生まれ持った魔力が底を尽き、視界が揺らぐ。
同時に、ふわりと。あたたかな感触と微かな血の匂いが身体を包み込んだ。
「ごめんね、約束を破る形になってしまって・・・・キミを、傷つけてしまって・・・・」
「・・・・何故だ。何故、約束を破った」
「−−−−結婚を、迫られてしまってね」
美しい彼のことだ。予想も理解も出来ていたハズだった。しかしそれでも、目を見開かずにはいられなかった。
「無理矢理、結婚させられそうになったんだ。そうしたら居ても立っても居られなくなって・・・・」
「あんなことをした、と・・・・」
「許して欲しい、なんて言わない。ただキミに、ちゃんと面と向かって伝えたかったんだ」
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