茨の塔の野獣
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茨の塔の野獣
自分は醜い。 森奥深く、そびえ立つ「茨の塔」に住む野獣は、そう信じてやまなかった。 幼い頃に負った、酷い火傷。激痛は癒えたが、生々しい傷跡は美しかった顔に、未だハッキリと君臨している。 鏡に写る自分の顔を叩き割るだけは飽き足らず、遂には住んでいる塔に茨を張り巡らせるようにまでなってしまった。誰も自分に近付かないように、この醜い顔を見せないように・・・・
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