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第一章
俺は微動だにせず、両脚に力を入れる。こぶしを握りしめ、息を深く吸った。だって俺は高校2年の冬休み間近というときにこの学校に転入生として来ることになったからだ。
この学校で上手くやっていけるのかとても不安だ。友達はできるだろうか。勉強にはついていけるだろうか。 いや大丈夫だ。あいつはもういない。
教室のドアがすごく重かった。まるで鉛があるように。
ガラガラッ 教室は静かで何人かがヒソヒソと話している。居心地の悪い空間だ。俺はこの空間にいてもたってもいられなくなり、震える手を強くおさえ口を開いた。
「こんにちは!俺は貝塚蓮です!変なときに来たけどよろしく!」
自分でも驚くほど大きく明るい声で言っていた。 反応がない。失敗したか?
「おう!よろしく!」という声が教室の奥の方から聞こえてきた。その声に続けてみんな「よろしく~」とか「元気いい〜」という声がクラス中から聞こえてきた。良かった。このクラスは明るい人が多いようだ。
俺の席は一番後ろの空席の隣だった。俺は多少の違和感を覚えた。なぜ一席だけ空席なんだ?このクラスで休みの人は俺の隣の人しかいない。たまたま休みだったのかもしれない。ついてないなぁ、、、、、、。
「よう!俺は坂下亮よろしくな!」
自己紹介のとき声を掛けてくれた男子だ。
「よろしく!」俺はすぐ亮と仲良くなることができた。ひとまず安心だ。これから上手くやっていこう。そうだ、今度こそ
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