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強がりは不幸のはじまり
それからは抱きしめられても距離みたいなものを感じていた。
彼も、きっと、同じ気持ちだったのかもしれない。
半月経った頃、龍吾は私のアパートの合鍵をそっと置いていくことを選んだのだった。
パジャマ代わりにもしてたジャージと、大好きだったCDを何枚か持って大学近くにあるワンルームの部屋に帰って行った
龍吾に今すぐ会って謝りたかった。
会いたい気持ちでいっぱいだった。
でもそれと同じくらい、金輪際、電話もメールもしてはいけないという気持ちもあって、行動に移すことができなかった。
単なる意地っ張り。
そうやっていつも損をするのは自分なのだ。
声を上げて泣いた。
二人で頭をくっつけて笑っている写真を見たら泣けてきて、気が付いたら、声を上げて泣いていた。
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