顛末(五)

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顛末(五)

 しかし、晴道は頑として否定する。 「違うな。話をするにしても、耳を傾けてもらえなければ意味がない。だから、相手との距離を縮める何かが必要だった。それがあの散歩だっただけだ」  筋が通っているだろうと得意気な師に、玉瀬は肩を竦めた。  少年の脳裏には焼きついている。師が散歩を提案した時の顔が。それは確かに、柔らかで悲しげであったのだ。 (……うそつき)  玉瀬は心内(こころうち)でそう呟き、身を翻した晴道の背を追った。 【完】 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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