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「ねぇケンイチ君」
「なに?」
「今日はありがとう、楽しかった」
「そんな、俺もむちゃくちゃ楽しかったよ」
「ねぇ、私のこと、好き?」
「ううん、好きじゃない」
「え?」
「……ちょっと好き」
大好き、とかじゃないのかこの流れは。ここで不必要なモヤモヤが残ってしまい、その後の描写が全く頭に入ってこない。そして最後の文。
いいなぁ、こういうの。羨ましいなぁ。
作者の欲求で終わる小説って何なんだ。
……ということで、気になったところを書いただけでほとんどの字数を使い切ってしまった。なぜ私がこの小説の解説を任されたのだ。というかそもそもこんな小説が発行されていいのか、不安で仕方ない。せっかく解説を書いたのにお蔵になるとか嫌だぞ、私は。
とやかく言っていても仕方ない。彼の次の作品に期待をして、ひとまずこの作品の今後については目を瞑ることに……お、なんだ、こんなところに丁度良く、アイマスクが落ちているじゃないか。
〈完〉
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