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一万円を拾い、モール内の急カープを曲がると、そこには大きな雑貨屋が広がっていた。
「広いなぁ、マヤに言われるまでこんな場所があるなんて知らなかったよ」
「端の方だからねぇ、私も必死で探してここに辿り着いたし」
マヤは数日前、この店で熊のぬいぐるみを予約した。長年のぬいぐるみ好きにとってはとても貴重な物らしい。
「じゃあ私、お金支払ってくるね」
「よし、俺が払うよ」
「……え?」
財布を鞄から半分出したままマヤは動きを止めた。
「俺たち約束しただろ、互いの願いをたくさん叶えていこう、って。……な?」
自分で言っておきながら恥ずかしさに耐えられず、ケンイチは勢いよく目を逸らした。そんな姿が、やっぱり、好きだった。
「あ、ありがとう!ケンイチ君!」
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