故意

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故意

私はいつも人を怒らす。 わざわさ怒らしているのかと言われたることがある。 ひとまず否定する。 相手は全く悪くない。 悪いのは私だとね。 ほんのわずかの悪意と思惑をこめてやっているからだ。 だがそんな思いを相手に感じさせないよう怒らせる。 我ながら面倒なことをしていると思う。 だが、面倒ことをしているのはある時にむけての布石のためだ。 いつかその布石を回収してもらえるように。 今日もまた怒らせる。 またダメだった。 早く堕ちてくれないかな。 正常さなんて無くせばいいのに。 理性も捨てて。 そしたら楽になるのに。 早くそのことに気づかないかな。 やっとこの時が来た。 思わずにやけてしまう。 でも、そんな表情をだしてはいけない。 自殺が出来ないからわざと人殺しにさせようとしているなんて。 だから、憎しみを込めて私を殺して。 私はあなたを脳裏に焼き付け死ぬからね。              <完>
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