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クラスマッチが終わってしまえばみんなもとに生活に戻る。あれだけみんなの輪の中心にいた彼も、今となっては机で一人、誰とも話すことなく勉強している。まるでクラスマッチでの活躍などなかったかのように、依然と何も変わらずに。
その場しのぎの人間関係。新たに生まれたはずの絆だったものは全部偽り。
外では忙しなくセミが鳴き続けている。綺麗に咲いていたはずの桜も全て散ってしまっていて、今ではただのセミの止まり木。
人間の音だけでもうんざりするほどなのに、セミの騒がしい鳴き声は僕をいつまでも不快にさせる。お願いだからやめてくれなんて、ただのないものねだりにしかならない。
人間の音は止んでくれる授業中でも関係なしにセミの声は頭に響く。一番窓際の席だからこれ以上ないほどに大きく。
朝一番に行われた授業は生物。人の遺伝子について。
人は生まれながらに平等ではないのはこの遺伝子によるもので、外見、内面に大きく影響している。
みんな違ってみんないい。それは違う。どう考えてもみんな違うからこそいじめや喧嘩、要するに争いが起きる。みんなが同じ顔で、同じ性格で、同じ能力ならと考えれば気持ち悪いけど争いが起きることはないだろう。
生まれた瞬間にはもう差がついているというのに、平等なんて言えるわけがない。
ねえ、先生。そう思いませんか?
人間の細胞は確かにすごいかもしれないけど、君の細胞はすごいねなどと評価する人はいない。僕が細胞についての知識を使うことなんて、今後一切ないだろう。そしてそれは多分、この世界に存在している多くの人がそう。
他の教科でも言えることか。学校なんかに来る意味なんてものもほとんどない。
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