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しかし、そこには疑問が浮かぶ。
何故、光秀は信長ではなく、梅雪を討ち取らなかったのか?
内通の秘密をばらされそうになったというならば、秘密を知る梅雪を討ち取れば話しは済む事だ。
なのに何故、わざわざ主君殺しの汚名を着てまで信長を討ったのか?
主君殺しの謀叛をするならば、相当な根回しをしておかなければ後々の統治は困難をきわめる事は、火を見るより明らかである。
ある意味追い詰められていたとしても、あの光秀がそんな簡単な事を見落とすとは、どうしてもあたしには考えられない。
秘密知る梅雪を討ち取った方が、万倍も楽なのだ。
いくらでも理由を作る事も出来るし。
例えば、武田家再興を企み信長様を暗殺しようとしていた。とかね。
なにも、信長を討たなくても、梅雪を討ち取れば秘密は守られたのだ。
そう考えると、穴山梅雪真犯人説は少し雲行きが怪しくなって来るのである。
何故なら、梅雪が光秀に会えば討たれてしまうかもだから。
確かに。秘密を守る事を条件に光秀と手を組む事も考えられるが、武田家が再興したとして、光秀にとっての『利』があまりにも小さすぎる。
織田家家臣を敵にまわしてまでの『利』が無さすぎるのである。
そして、梅雪が武田家再興の約束の元、家康の命令を受けて、明智家の家紋を掲げ信長を討ったとしても、自身が本物の明智軍に討たれてしまったら、武田家再興の意味がなくなってしまう。
となれば、梅雪が光秀のふりをするには、少し利がないのではないのか。という考えに至ったのだ。
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